病院指標（R４年度）

令和４年度高松市立みんなの病院病院指標

年齢階級別退院患者数
診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）
初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
成人市中肺炎の重症度別患者数等
脳梗塞の患者数等
診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）
その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）

年齢区分	0～	10～	20～	30～	40～	50～	60～	70～	80～	90～
患者数	188	73	184	224	257	323	686	1430	1280	604

　令和4年度の年齢分布では特に60歳代～80歳代の患者さんが多く、全体では【消化器系、肝臓・胆道・膵臓疾患】、【呼吸器系疾患】、【外傷・熱傷・中毒疾患】、【腎・尿路系及び男性生殖器系疾患】の入院が多い傾向です。また、悪性腫瘍等、手術治療等が必要な患者さんが入院されています。
　当院はプライマリケア、救急医療からがん医療までの広い範囲の領域を担い、患者さんのニーズに沿った医療を提供しています。

診断群分類別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）ファイルをダウンロード

内科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
130030xx99x5xx	非ホジキンリンパ腫	37	18.76	19.67	13.51	77.95
040081xx99x0xx	誤嚥性肺炎	32	16.06	21.11	9.38	87.13
110310xx99xxxx	腎臓又は尿路の感染症	19	14	13.61	15.79	82.32
130030xx99x9xx	非ホジキンリンパ腫	16	16.31	13.53	0	73.44
060380xxxxx0xx	ウイルス性腸炎	13	7.15	5.70	15.38	73.54

　悪性リンパ腫や多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、高齢者の急性白血病など血液悪性腫瘍の化学療法や貧血、血小板減少症、凝固異常など血液一般の診療を中心に、感染症診療や一般内科の診療を行っています。
　令和4年度は、非ホジキンリンパ腫等、血液疾患や誤嚥性肺炎の入院症例が多くありました。

小児科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
140010x199x0xx	妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害（2500g以上）	66	5.85	6.13	3.03	0
040100xxxxx00x	喘息	16	5.44	6.05	0	2.31
040070xxxxx0xx	インフルエンザ、ウイルス性肺炎	–	–	5.56	–	–
0400801199x00x	肺炎等（1歳以上15歳未満）	–	–	5.71	–	–
0400801099x00x	肺炎等（1歳未満）	–	–	5.83	–	–

　当院小児科では、一般的な感染症などの急性期疾患を主に、小児科医師の専門性を生かしたアレルギー疾患や神経疾患を分担して診療しています。また、新生児黄疸の治療や周産期における軽症感染症児の治療も行っています。
　令和4年度は、新生児黄疸、新生児呼吸障害等での入院症例が多くありました。また、気管支喘息やRSウイルス性肺炎、急性肺炎等で入院治療を受けられる方もいます。

外科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
060160x001xxxx	鼠径ヘルニア（15歳以上）	97	2.63	4.59	0	70.86
060335xx02000x	胆嚢炎等	45	5.71	6.93	2.22	65.22
090010xx010xxx	乳房の悪性腫瘍	25	8.08	9.99	8	66.08
060035xx010x0x	結腸（虫垂を含む。）の悪性腫瘍	18	14.28	15.40	5.56	74.89
060170xx02xx0x	閉塞、壊疽のない腹腔のヘルニア	17	4.71	7.05	0	72.65

　令和4年度は鼡径ヘルニア症例が多く、術式的にはTAPP（腹腔鏡手術）がその大部分を占めています。胆石性胆嚢炎の手術症例も多くなっています。
　当院外科では、食道・胃・大腸・肛門などの消化管、肝胆膵領域のがんや良性疾患を中心に、各種ヘルニア、甲状腺、乳腺などの疾患の診療を日本外科学会、日本消化器外科学会、日本消化器病学会、日本肝臓病学会などの指導医・専門医が治療を行っています。

整形外科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
160800xx01xxxx	股関節・大腿近位の骨折	109	24.54	26.42	71.56	80.83
160760xx97xx0x	前腕の骨折	33	2.45	4.86	3.03	70.21
160690xx99xxxx	胸椎、腰椎以下骨折損傷（胸・腰髄損傷を含む。）	22	16.82	20.09	63.64	75.77
160720xx01xxxx	肩関節周辺の骨折・脱臼	15	11.47	14.17	53.33	78.13
160620xx01xxxx	肘、膝の外傷（スポーツ障害等を含む。）	12	14.42	13.19	0	35.25

　令和4年度は、大腿骨・前腕骨折、腰椎・胸椎圧迫骨折、上腕骨骨折での入院症例が多くありました。
　当院整形外科では、骨、関節、靱帯、神経などの運動器の疾患や外傷を診療しています。骨折などの外傷の治療を中心に、膝や股関節の人工関節置換術も行っています。
　近年高齢化社会を迎え、大腿骨近位骨折（頚部骨折、転子部骨折）、上腕骨近位端骨折、橈骨遠位端骨折、脊椎圧迫骨折などといった高齢者の比較的軽微な外力による骨折が増加しています。それぞれに応じた適切な治療を、できるだけ早期に行うことで、健康寿命の延伸に努めます。

脳神経外科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
160100xx97x00x	頭蓋・頭蓋内損傷	35	9.94	10.14	14.29	75.37
010040x199x0xx	非外傷性頭蓋内血腫（非外傷性硬膜下血腫以外）（JCS10以上）	25	24.24	23.28	80	80.04
010230xx99x30x	てんかん	20	12.4	13.31	20	74.75
160100xx99x00x	頭蓋・頭蓋内損傷	20	6.75	8.54	5	68
010060×2990401	脳梗塞（脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満）	19	17.26	15.97	52.63	76.42

　当院では頭蓋・頭蓋内疾患（外傷性慢性硬膜下血腫、外傷性くも膜下出血、脳震盪など）や脳内出血で入院される方が多くいます。また、脳梗塞をはじめとした急病である脳卒中で受診される方も多くいます。
　「time is brain」(時は脳なり）と言われるように、脳卒中や頭部外傷の診療は時間との勝負です。治療時期を逃すことなくスピーディーな診療を行います。
　てんかん専門医によるてんかん外来、脳血管治療専門外来も開設しています。

呼吸器外科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
040040xx97x00x	肺の悪性腫瘍	20	7	10.06	0	71
040040xx99200x	肺の悪性腫瘍	18	2.89	3.05	0	73.28
040200xx99x00x	気胸	11	9.55	9.24	27.27	62
040150xx97x00x	肺・縦隔の感染、膿瘍形成	–	–	28.63	–	–
040200xx01x00x	気胸	–	–	9.68	–	–

　呼吸器外科は、肺がんなどの肺腫瘍、縦隔腫瘍、気胸、膿胸、感染症、外傷などへ外科治療を中心に診療を行っています。疾患に応じて、薬物治療や保存療法なども行っています。
　令和4年度は、肺の悪性腫瘍の症例が多く、胸腔鏡下による手術を多く行っています。気胸、膿胸等での入院症例も多くあります。

産婦人科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
120170x199xxxx	早産、切迫早産（妊娠週数34週未満）	49	27.1	20.78	18.37	26.16
120220xx01xxxx	女性性器のポリープ	36	3.81	2.81	0	37.42
120180xx01xxxx	胎児及び胎児付属物の異常	30	9.9	9.38	0	30.67
120260x001xxxx	分娩の異常（分娩時出血量2000ml未満）	26	10.46	9.37	0	28.38
120060xx02xxxx	子宮の良性腫瘍	25	6.68	5.98	0	43.44

　切迫早産、既往帝切後妊娠等、妊娠・分娩・出産に関する入院症例が多くあります。また、子宮内膜ポリープ、子宮筋腫での手術症例も多くあります。
　周産期、婦人科腫瘍・手術、体外受精を含めた不妊症など産婦人科疾患全般の診療を行っています。婦人科良性疾患の内視鏡手術（腹腔鏡、子宮鏡）を積極的に行っています。

耳鼻咽喉科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	平均年齢
030350xxxxxxxx	慢性副鼻腔炎	21	8.86	6.23	54.1
030230xxxxxxxx	扁桃、アデノイドの慢性疾患	16	7.75	7.73	19.25
030150xx97xxxx	耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍	10	6.7	6.81	53.2
030240xx99xxxx	扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎	10	4.5	5.69	35.8
030400xx99xxxx	前庭機能障害	10	3.7	4.79	69.9

　令和4年度は、慢性副鼻腔炎、慢性扁桃炎、鼻中隔弯曲症、耳下腺腫瘍等の手術症例が多くありました。
　耳鼻科では、首より上の脳、眼球を除いた広範囲の領域を扱います。五感のうち聴覚、嗅覚、味覚の三つも含みます。さらに、食べる楽しみである嚥下機能も扱っています。

泌尿器科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
110080xx991xxx	前立腺の悪性腫瘍	79	2.32	2.45	0	73.72
11012xxx02xx0x	上部尿路疾患	56	7.18	5.29	3.57	64.39
110310xx99xxxx	腎臓又は尿路の感染症	50	17.26	13.61	6	79.44
110080xx01xxxx	前立腺の悪性腫瘍	39	12.23	11.30	0	74.1
180010x0xxx0xx	敗血症（1歳以上）	26	22.27	19.61	15.38	79.65

　当院の泌尿器科は、泌尿器科疾患全般を取り扱っております。尿路性器悪性腫瘍（腎がん・腎盂がん・尿路がん・膀胱がん・前立腺がん・尿道がん・精巣がん）、副腎腫瘍、尿路結石症、尿路性器感染症、排尿機能障害、腎機能障害、男性機能障害など幅広い領域の診療を行っています。
　治療による痛みや苦痛ができるだけ少なく、手術の傷が小さくて済むように、QOLを重視した低侵襲治療を積極的に採用しています。
　令和4年度は、前立腺がんに対する検査や手術症例、尿管・腎結石に対する手術症例が多くありました。

呼吸器内科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
040081xx99x0xx	誤嚥性肺炎	95	23.48	21.11	12.63	85.31
040040xx99200x	肺の悪性腫瘍	48	3.46	3.05	0	74.9
040110xxxxx0xx	間質性肺炎	48	26.02	18.57	2.08	73.58
040120xx99000x	慢性閉塞性肺疾患	30	26.6	13.68	3.33	76.27
040081xx99x1xx	誤嚥性肺炎	20	38.25	21.89	20	87.5

　当院呼吸器内科では、COPD等の慢性呼吸不全に対して、在宅酸素療法や在宅人工呼吸を積極的に行っています。急性呼吸不全には、HCUで人工呼吸療法を中心に集中治療が可能です。肺がんの治療法は、手術、放射線療法、化学療法、免疫療法など、ほぼすべての治療が可能です。
　令和4年度は、高齢者による誤嚥性肺炎の症例が多く、在宅退院に向けた治療を行っています。肺の悪性腫瘍症例では、生検（検査）目的や化学療法を行う症例が多くあります。また間質性肺炎や慢性閉塞性肺疾患等での入院症例も多くなっています。また、厚生労働省による集計定義の関係で、新型コロナウイルス感染症患者がカウントされていませんが、第2種感染症指定病院として診療しています。

循環器内科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
050130xx9900x0	心不全	63	15.03	17.54	9.52	84.97
050050xx9910x0	狭心症、慢性虚血性心疾患	55	2.49	3.04	0	72.4
050050xx0200xx	狭心症、慢性虚血性心疾患	50	5.92	4.26	0	71.22
050130xx9910xx	心不全	16	14.75	14.28	12.5	76.44
050210xx97000x	徐脈性不整脈	15	18	9.89	0	85.2

　循環器内科は、心臓、血管（動脈・静脈）に関わる病気の診断と治療を行っています。高血圧、脂質異常症（高脂血症）といった生活習慣病から高齢化に伴い急増している心不全管理まで、多彩な病態の管理に取り組んでいます。
　令和4年度は、狭心症、心不全での入院症例が多く、カテーテル検査・治療を行っています。心臓カテーテル検査は造影剤を用いて心臓の血管（冠動脈）に病変がないか検査します。狭心症の評価に有用であり、短い入院で検査可能です。治療（PCI）の場合も3泊4日と短期の入院で可能です。

消化器内科

DPCコード	DPC名称	患者数	平均在院日数（自院）	平均在院日数（全国）	転院率	平均年齢
060340xx03x00x	胆管（肝内外）結石、胆管炎	77	10.1	8.94	6.49	79.06
060100xx01xxxx	小腸大腸の良性疾患（良性腫瘍を含む。）	40	3.68	2.64	0	71.63
060050xx99040x	肝・肝内胆管の悪性腫瘍（続発性を含む。）	26	4.19	8.20	0	70
060040xx99x6xx	直腸肛門（直腸Ｓ状部から肛門）の悪性腫瘍	21	7.43	4.38	0	65.38
060140xx97x0xx	胃十二指腸潰瘍、胃憩室症、幽門狭窄（穿孔を伴わないもの）	16	10.81	10.88	12.5	76.13

　消化管（食道、胃、十二指腸、小腸、大腸）および肝・胆・膵（肝臓、胆管胆嚢、膵臓）の疾患を取り扱っています。
　令和4年度は総胆管結石や大腸ポリープ切除症例等、内視鏡手術を行う入院症例が多くあります。悪性腫瘍に対する化学療法目的の症例もあります。
　消化器癌の化学療法・放射線治療、緩和内視鏡治療も、疾患や状態に応じて積極的に行っています。

初発の５大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード

	初発					再発	病期分類基準（※）	版数
	Stage I	Stage II	Stage III	Stage IV	不明	再発	病期分類基準（※）	版数
胃癌	27	–	–	22	–	22	1	8
大腸癌	11	19	32	44	11	24	1	7,8
乳癌	17	28	–	–	–	23	1	8
肺癌	31	–	27	65	30	43	1	8
肝癌	–	–	20	28	–	14	1	6,8

※ 1：UICC TNM分類，2：癌取扱い規約

　進行度や広がり、状態により、手術や化学療法、免疫療法、放射線療法等の各種治療方針を決定します。術前・術後カンファレンスや医師、メディカルスタッフ等多職種が参加するキャンサーボード（症例検討会、がん研修）を開催し、多角的な診断・治療を行っています。
　また、地域における質の高いがん医療の提供を目指し、「がん診療支援センター」を設置し、がん診療体制の充実・強化と療養生活の質の向上を図っています。
　がん診療支援センターでは、キャンサーボードの開催、通院治療室における抗がん剤治療、緩和ケアの提供、がん相談支援、がん医療に携わる専門・認定資格者の支援育成、セカンドオピニオン外来等、各診療科やがん医療に関連する様々な部門の連携を図り、統合的なチーム医療を行うことで患者さんを支援しています。

※患者数は延べ患者数となっていますので、同一患者で繰り返し入院する症例は入院毎にカウントしています。

成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード

	患者数	平均在院日数	平均年齢
軽症	20	8.85	57.35
中等症	61	15.41	78.31
重症	17	23.18	84.88
超重症	10	23	76.8
不明	–	–	–

肺炎の重症度とは、

Age（年齢）：男性70歳以上、女性75歳以上
Dehydration（脱水）：尿素窒素 21mg/dL以上または脱水あり
Respiration（呼吸）：酸素飽和度90%以下（動脈血酸素分圧 60Torr 以下）
Orientation（意識障害）：意識障害あり
Pressure（収縮期血圧）：収縮期血圧90 mmHg以下

上記の頭文字を取ってA-DROPといい、1項目該当すれば1点、2項目該当すれば2点としてカウントし、合計で重症度を判定します。

軽症：0点の場合。
中等症：1～2点の場合。
重症：3点の場合。
超重症：4～5点の場合。ただし、ショックがあれば1項目のみでも超重症とする。
不明：重症度分類の各因子が1つでも不明な場合。

　当院では中等症の成人市中肺炎症例が最も多く、人工呼吸器が必要な重症症例も多くあります。
　また、当院は呼吸療法サポートチーム（RST）を設置しています。医師、看護師、薬剤師、理学療法士、言語聴覚士、臨床工学技士、管理栄養士など、多職種で構成し、専門性を生かした幅広い視点での、質の高い呼吸ケアの提供を行っています。RSTラウンドにおいては、呼吸管理の標準化と早期離脱に向けた人工呼吸管理を行い、在宅酸素療法や、CPAPにおける看護外来、禁煙外来など、幅広くサポートを行っています。

脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード

発症日から	患者数	平均在院日数	平均年齢	転院率
3日以内	100	22.14	80.34	54.21
その他	–	–	–	–

　当院の脳梗塞症例の約9割が3日以内の急性期です。救急科や脳卒中・神経センターを開設し、地域住民の方の急病に対応した結果であると考えます。
　また、平均年齢は80歳と、ご高齢の方が多くなっています。
　脳梗塞は、内科的治療を基本としますが、発症から4.5時間以内の場合はｔPA静注で、24時間以内の場合、血管内治療（血栓回収術）で閉塞血管を再開通させます。頸動脈が高度に細い場合には緊急でステントを拡張させます。術後は抗血栓薬やリハビリを早期に開始します。

診療科別主要手術別患者数等（診療科別患者数上位５位まで）ファイルをダウンロード

外科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢
K634	腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術（両側）	90	0.11	1.19	0	69.9
K672-2	腹腔鏡下胆嚢摘出術	50	0.76	3.9	2	65.68
K719-3	腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術	16	2.69	12	6.25	75.56
K4763	乳腺悪性腫瘍手術（乳房切除術（腋窩部郭清を伴わない））	15	0.93	5.87	6.67	70.13
K655-22	腹腔鏡下胃切除術（悪性腫瘍手術）	12	2.17	20	0	79.5

　鼡径ヘルニアや胆石性胆のう炎・胆のう結石症などに対する手術が多くなっています。また、結腸や胃に対する腹腔鏡下切除術、乳癌に対する手術を多く行っており、膵臓癌、肝臓癌の手術も積極的に行っております。
　術前カンファレンスを行い、各学会のガイドラインに沿い、患者さん一人一人の背景に応じたオーダーメイドの手術を行っています。外科では、内視鏡手術、低侵襲手術に力を入れており、進行癌、多臓器浸潤癌、開腹手術歴のある困難症例に対してもほとんどの手術を内視鏡で行っています。手術創はより小さくなるよう努めており、単孔手術を積極的に行っています。
　胃・結腸の悪性腫瘍手術の大部分は内視鏡下に行われています。

整形外科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢
K0461	骨折観血的手術（肩甲骨）（上腕）（大腿）	88	3.64	16.83	65.91	80.98
K0811	人工骨頭挿入術（股）（肩）	42	3.95	20.86	66.67	79.19
K0462	骨折観血的手術（前腕）（下腿）（手舟状骨）	37	1.03	4.54	21.62	67.05
K0483	骨内異物（挿入物を含む）除去術（前腕）（下腿）	27	0.59	1.63	0	56.63
K0821	人工関節置換術（肩）（股）（膝）	18	1	29.56	44.44	73.44

　令和4年度は、大腿骨・上腕骨折に対する観血的手術、大腿骨骨折に対する人工骨頭挿入術を多く行っています。
　近年高齢化を迎え、高齢者の比較的軽微な外力による骨折が増加しています。特に大腿骨近位骨折は寝たきりの原因となる代表的な骨折です。それぞれに応じた適切な治療をできるだけ早期に行うことで、健康寿命の延伸に努めます。

脳神経外科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢
K164-2	慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術	24	0.71	12.63	16.67	75.13
K178-4	経皮的脳血栓回収術	–	–	–	–	–
K1692	頭蓋内腫瘍摘出術（その他）	–	–	–	–	–
K1781	脳血管内手術（１箇所）	–	–	–	–	–
K1642	頭蓋内血腫除去術（開頭）（硬膜下）	–	–	–	–	–

　局所麻酔（注射の麻酔）で手術を行う、慢性硬膜下血腫に対する治療が多く見られました。慢性硬膜下血腫は徐々に頭の中に血液がたまることで、麻痺や認知症を来す病気です。頭部打撲後、数か月で発症する方があることから、当院では見逃さないよう頭部打撲後の方の定期受診を行っています。また、脳梗塞に対する経皮的脳血栓回収術等も行っています。
　脳出血は状態に応じて保存的治療、ナビゲーションを用いた定位脳血腫除去術、内視鏡血腫除去術、開頭血腫除去術を行っています。くも膜下出血はコイル塞栓術、開頭クリッピング術とも対応可能です。

呼吸器外科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢
K514-23	胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術（肺葉切除又は１肺葉を超える）	11	1.36	5.09	0	67.73
K514-21	胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術（部分切除）	–	–	–	–	–
K496-2	胸腔鏡下醸膿胸膜又は胸膜胼胝切除術	–	–	–	–	–
K5131	胸腔鏡下肺切除術（肺嚢胞手術（楔状部分切除））	–	–	–	–	–
K496-5	経皮的膿胸ドレナージ術	–	–	–	–	–

　呼吸器外科では、肺の悪性腫瘍に対する胸腔鏡手術を多く行っています。
　現在は、低侵襲手術としての胸腔鏡手術を基本とし、小さな創で行っています。周術期には積極的な呼吸器リハビリテーションを行うことで、自宅・社会復帰を支援しています。

産婦人科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	平均年齢
K8982	帝王切開術（選択帝王切開）	40	3.58	8.33	30.23
K8981	帝王切開術（緊急帝王切開）	33	0.97	8.24	28.48
K877-2	腹腔鏡下腟式子宮全摘術	25	1	6.44	49.32
K872-32	子宮内膜ポリープ切除術、子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術（その他）	23	1.04	2.22	38.48
K872-31	子宮内膜ポリープ切除術、子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術（電解質溶液利用）	20	1	1.6	37.2

　令和4年度の分娩件数は、355件です。より自然で安全な分娩を心がけております。緊急帝王切開になる場合は、常勤麻酔科医師の麻酔のもとで行います。帝王切開の皮膚の傷は埋没縫合するため、抜糸の必要がありません。妊婦健診・産後健診では、超音波検査を毎回行い、胎児や母体の異常や切迫流早産の早期発見に努めています。
　また、子宮内膜ポリープに対する手術や子宮筋腫や子宮頚部異形成に対する腹腔鏡下腟式子宮全摘術も行っております。

耳鼻咽喉科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢
K340-5	内視鏡下鼻・副鼻腔手術３型（選択的（複数洞）副鼻腔手術）	20	1	7	0	61.2
K3772	口蓋扁桃手術（摘出）	16	1.06	6.19	0	16.81
K368	扁桃周囲膿瘍切開術	11	0.64	4.45	0	50.45
K347	鼻中隔矯正術	10	1.1	6.1	0	36
K309	鼓膜（排液、換気）チューブ挿入術	–	–	–	–	–

　耳鼻咽喉科では、慢性副鼻腔炎に対する内視鏡下鼻・副鼻腔手術も多く行っています。また、扁桃炎による咽頭痛、発熱を繰り返す症例やIｇA腎症、掌蹠膿疱症などの病巣感染症や上気道狭窄によるいびきや顎顔面発育の影響がある症状に対して口蓋扁桃摘出術を施行します。さらに、アデノイド増殖症を伴っている場合には従来はアデノイドを完全切除できなかったのを、当科では内視鏡を使用してアデノイドを徹底的に切除します。
　他にも、扁桃周囲膿瘍に対する切開術や鼻中隔弯曲症に対する鼻中隔矯正術も多く行っています。

泌尿器科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢
K7811	経尿道的尿路結石除去術（レーザー）	57	1.04	5.75	5.26	64.25
K783-2	経尿道的尿管ステント留置術	40	0.63	14.05	12.5	75.28
K843-4	腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術（内視鏡手術用支援機器を用いる）	37	1	10.43	0	74.11
K8036ｲ	膀胱悪性腫瘍手術（経尿道的手術）（電解質溶液利用）	36	1.56	6.69	11.11	79.94
K841-21	経尿道的レーザー前立腺切除・蒸散術（ホルミウムレーザー等使用）	14	1	9.57	7.14	75.64

　令和4年度は尿管・腎結石に対するレーザーによる経尿道的尿路結石除去術や急性腎盂腎炎等に対する尿管ステント留置術、前立腺癌に対する腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術（内視鏡手術用支援機器を用いる）を多く行っています。
　手術療法としては、従来から施行している腹腔鏡手術に加え、前立腺肥大症に対するホルミウムヤグレーザー、尿路結石に対する細径腎盂鏡・軟性尿管鏡、膀胱癌に対する光力学診断、ロボット支援手術のためのダヴィンチXiなど、最新の医療機器を使用した高度な低侵襲手術を施行しています。

循環器内科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢
K5493	経皮的冠動脈ステント留置術（その他）	32	2.31	4.53	3.12	71.97
K5463	経皮的冠動脈形成術（その他）	14	2.5	3.79	7.14	70.71
K5972	ペースメーカー移植術（経静脈電極）	14	5.14	13.43	0	84.43
K5492	経皮的冠動脈ステント留置術（不安定狭心症）	–	–	–	–	–
K616	四肢の血管拡張術・血栓除去術	–	–	–	–	–

　当院は救急疾患の受け入れが多く、積極的に介入し、緊急入院での全身管理及び必要に応じてカテーテル治療も行っています。令和4年度は、狭心症に対する経皮的冠動脈ステント留置術が多くありました。徐脈性不整脈に対するペースメーカー移植術、下肢閉塞性動脈硬化症に対する四肢の血管拡張術・血栓除去術も行っています。
　循環器内科では、冠動脈・下肢動脈カテーテルインターベンション（バルーン拡張術、ステント留置術）、恒久式ペースメーカ植込み術、心臓カテーテル検査（冠動脈造影検査）、その他各種心エコー検査等を行っています。低侵襲かつ診断精度が高い運動負荷心電図及び冠動脈CTが可能であり、個々の患者さんに応じた最適な診療を心がけています。

消化器内科

Kコード	名称	患者数	平均術前日数	平均術後日数	転院率	平均年齢
K688	内視鏡的胆道ステント留置術	42	1.95	10.21	0	82.02
K7211	内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術（長径２ｃｍ未満）	36	1	1.56	0	74.11
K6871	内視鏡的乳頭切開術（乳頭括約筋切開のみ）	33	1.97	7.52	6.06	77.52
K654	内視鏡的消化管止血術	19	0.95	6.58	5.26	75.42
K664	胃瘻造設術（経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む）	18	6.33	13.72	33.33	82.78

　消化器癌の早期発見・治療のため、積極的な内視鏡検査を行い、早期胃、大腸癌や食道表在癌は内視鏡的に切除治療を行い、急性腹症や進行癌などは早く確実な手術を行えるよう消化器外科と連携し診療を行っています。
　令和4年度、消化器内科では胆管炎、総胆管結石、悪性腫瘍に対する内視鏡的胆道ステント留置術や内視鏡的大腸ポリープ切除術を多く行っています。また、悪性腫瘍に対する内視鏡的手術も行っています。

その他（ＤＩＣ、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率）ファイルをダウンロード

DPC	傷病名	入院契機	症例数	発生率
130100	播種性血管内凝固症候群	同一	–	–
130100	播種性血管内凝固症候群	異なる	–	–
180010	敗血症	同一	35	0.67
180010	敗血症	異なる	21	0.4
180035	その他の真菌感染症	同一	–	–
180035	その他の真菌感染症	異なる	–	–
180040	手術・処置等の合併症	同一	29	0.55
180040	手術・処置等の合併症	異なる	–	–

　播種性血管内凝固（DIC）、敗血症、その他の真菌感染症、手術・処置等の合併症について、DPC病名と入院契機病名との同一性の有無を分類して患者数と発生率を集計しています。
　
　敗血症の原因としては、重症呼吸器感染症や尿路感染症等です。
　
　透析シャント閉塞症例が分類上、『手術・処置等の合併症』に計上されています。透析シャント閉塞を除けば『手術・処置等の合併症』の症例数は少なくなります。

更新履歴

2023.9.28

令和４年度 高松市立みんなの病院 病院指標

令和４年度高松市立みんなの病院病院指標