MRI検査
MRI(核磁気共鳴画像)はX線を使うことなく体内の状況を外部から検査する方法です。機械の中で寝ているだけで磁場と電波を使って、縦・横・斜めなどの方向の画像(断層画像)を撮影することができるため、様々な病変の診断に有効です。
CTと比べるとX線の被曝がなく、骨の影響も受けることなく撮影ができるところが優れています。一方で、検査時間が長く金属が体内にある場合は検査の妨げとなることもあります。また、呼吸などの体動で画像が劣化するため頭部や骨盤部、脊椎、間接部など体動が少ない部位の検査に有効です。その他にも、MRIは造影剤を使うことなく全身の主な血管を描出できるため、頭部の動脈瘤や下肢血管の閉塞などの検出にも有効です。
検査にかかる時間は、検査内容により異なりますが、通常20~30分程度で終了します。また、検査中は工事をしているような様々な大きい音がします。この音は検査中にMRIから発生する音なので心配はありません。耳栓により騒音の軽減を行います。
今回新たに導入したMRI装置は、寝台が56cmと従来の装置より広く、70cmのワイドボアでより快適な検査空間となっています。
造影剤
検査内容によっては診断能の向上のために、造影剤を使用することがあります。
- 造影剤を使う利点は何でしょう?
注射された造影剤は、血管を介して全身の臓器に分布します。したがって、血管腔の状態、臓器の血流状態、および病変での造影剤の分布がわかり、診断のための重要な情報となります。 - どのような患者にも造影検査はできるのでしょうか?
アレルギー体質の方は副作用を生じる可能性がそうではない方と比べ3.8倍、喘息の方は約15倍多いといわれています。また、造影剤で具合の悪くなったことがある方も高い頻度で副作用を生じるといわれています。重い腎臓の病気のある方も造影剤が体の中に長くとどまる可能性があります。次に該当する方は、主治医および検査室の医師にお知らせください。 - 造影剤にはどのような危険性があるのでしょうか?
最近では、副作用の少ない造影剤が開発され使用されています。しかし、危険性を完全になくすことはできません。軽微な副作用を含めて、1~2%の患者さんに何らかの副作用が生じます。ほとんどは気分が悪くなったり、吐いたり、じんま疹が出たり、顔がほてったりといった軽く、一過性のものです。しかし、まれに冷や汗が出たり、胸が苦しくなったりすることがあります。また、4万人に1人ぐらいの割合で、ショックなどの重篤な副作用を生じることがあります。きわめてまれですが、死にいたる報告もあります。
血管外に漏れた場合には,注射部の痛みや腫れがあらわれることがあります。
1.以前造影剤で具合が悪くなったことがある
2.本人あるいは血縁者に喘息やアレルギーがある
3.腎臓の病気がある
検査に際しての注意点
検査室の前に掲示してあります。検査中、担当者は検査室の外へ出ますが、患者さんにはブザーを持っていただきます。何か用事がありましたら強く握ってください。
- MRI室へ入室できない人
ペースメーカを埋め込んでいる人
ステント装着後3ヶ月以内の人など - MRI室入室時に取り外す物
時計、指輪、ネックレス、イヤリング、ヘアピン
コンタクトレンズ、めがね、補聴器、入れ歯、かつらなど
クレジットカード、テレホンカードなど(使用できなくなります) - 検査できない人
閉所恐怖症など狭いところの苦手な人
金属が体内にある方で、その金属が何かが不明な人などです。